『うちの会社には就業規則がありません』、『会社は就業規則を見せてくれません』等と度々労働者様より話を伺います。一方企業様側からも、『従業員に見せると、権利ばっかり主張されて困るんだよね』等という話もよく聞かれます。

　実は、「就業規則を作成すること」は、労使双方にとって、大きなメリットがあるのです。就業規則は、会社のルールです。服務規程、懲戒事由を社員に周知する事は、会社に秩序をもたらします。また実際にルール違反があれば、就業規則を根拠に正当な懲戒処分を行うことができます。一方、有給休暇の取得や割増賃金等、いわゆる使用者側の言う『権利の主張』は、就業規則に規定をしていなくても、どのみち守らなければならない最低基準が労働基準法で定められています。時代の流れと共に、人々の価値観は多様化してきました。長時間労働や未払い残業代、パートタイム労働者の有給休暇、さらに労働者の時間を明確に管理する事は、これまでも使用者に課せられている義務ではありましたが、働き方改革と声高に叫ばれるようになった昨今、それを守らない会社はブラック企業と叩かれる時代になりました。企業は、意識改革を行う必要があるのです。

　就業規則を作成し、労使双方でルールを確認し、働きやすい職場を維持しませんか。